第1章 無口な彼氏。
私は昼休み、
凛之助が一人でどこかへ行ったのを見計らい、
小金井に話しかけた。
「うぉーい、小金井ー。」
「ん~?どうしたぁ~?」
小金井はすごく眠そうだった。
「あのさ、凛之助の事でちょっと聞きたい事あるんだけど…。」
私は周りを見渡しコソっと言った。
「ん~?水戸部がどうしたぁー。」
「凛之助って…私の事どう思ってると思う?」
私がそう聞くと小金井は『うーん』と考えだした。
「付き合ってるし、好きなんじゃないの?」
小金井は思いついたようにそう言った。
「本当に!?凛之助、私の事好きって言ってた!?」
私は小金井の胸倉をつかんでぶんぶんと振り回した。
「うわわわ!ちょ、落ち着けって!…言ってはないけど…」
「っへ!?言ってないの!?」
私はショックで小金井を落とした。
「ちょ!?うへぇー!急に落とすなよぉー。」
「あ、ごめん…そっか…私、凛之助に好かれてないのかな…?」
私は溜息をついた。
「そんなん、水戸部本人に聞けば早ぇんじゃねぇのぉー?」
そう言って小金井は寝はじめた。
…本人に聞く…か。