第1章 無口な彼氏。
そんな彼が今。
私の彼氏になったのだ!
普段は喋らない凛之助だけど…
二人っきりの時は
『愛してるよ!』とか
『大好きだよ!』とか…
言ってくれちゃったりしてぇぇぇぇ!!!!
うひゃぁぁ!!!
…なんて妄想にふけっていたあの頃の私。
付き合い始めて3ヶ月。
私は未だに彼の声を知らない。
そして、会話は小金井を通さないと出来ない状態…。
「んでさぁ!うちの彼氏がねぇー!『愛してるよ!ハニー』って…くっさぁ!って感じでしょー?まじないわ!」
はぁ。
まぁた、いつものノロケ話が始まった…。
「はーん。よかったねぇー。」
私は適当に聞き流していた。
「水戸部くんはどうなのよ?普段無口だけど『好き!』とか言ってくれんの?」
友達は不思議そうにそう聞いた。
「…へ?凛之助!?…い、言うに決まってんじゃん!」
思わず見栄を張った。
「だよねぇー!『好き』って言われないとか…絶対好かれてないしー!キャハハハ!」
その友達の何気ない一言が
ダイレクトに胸に刺さった。
「は、ははは。だよねぇー。」
…はぁ。私…好かれてないのかなぁ?