第5章 私の彼は"変わりもの"?
「え?誰って…紫原くんだよ?」
彼女達は困惑していた。
「違う、私が思ってたのはこいつではない。」
私は絶望した。
では、私が思っていた彼(ゴリラ)は一体誰なんだ!?
「えぇ~?なに?お菓子くれないのぉ~?じゃぁ戻っていい?」
紫原という男は不満気に口を尖らせた。
「あ!待って紫原くん!…実は如月さんバスケ部の誰かに恋してるみたいなんだけど…誰か心当たりない?」
すかさず彼女達は紫原を呼び止めた。
「ん~…?室ちんとか?女子にモテるし…俺と一緒に居たってことは多分レギュラーでしょ?」
紫原はやるせない目で私にそう言い放った。
「室ちんとは!いかなる人物ですか!?」
私は紫原の腕をつかんだ。
「へぇ?ん~…2年生の氷室辰也って人。」
「ふむ!なるほど!今から訪ねてみる!」
私は気合を入れ、2年の教室へ向かおうとしたが
足を止めた。
「紫原とやら!これを!」
私は手に持っていたラッピングされたバナナを紫原に渡した。
「ん~、くれるのぉ~?」
「うむ!情報料だ!受け取っておけ!」
そうして、私は走って2年の教室へ向かった。
「わぁーい!お菓子だぁ!」
紫原はラッピングを乱暴に開けた。
「…何これ?バナナ…?」
不審に思いながらも、
まぁ、良いかと思いながら紫原はバナナを食べ始めた。