第5章 私の彼は"変わりもの"?
気が付けばあれから私は遥かに成長し、
高校生にまでなろうとしていた。
私はこの春から陽泉高校に入学する事になった。
西洋風のお洒落な校舎にひかれたから。
理由はただそれだけ。
私が歩けば、誰もが振り返り、
誰もが恍惚とした表情で私を見つめる。
そう、自分で言うのは何だが、
私は恐らく人間という動物の中で
かなり容姿が整っている方なのだ。
告白された回数は数知れず、
美少女コンテストで取った賞も数知れず…
自慢にしたい所だが、
私にとってはこの事実が憂鬱でしかなかった。
勝手なイメージを付けられやすいからだ。
「ねぇねぇ!如月さんっ!!!どんな人が好みのタイプなの!?」
クラスの女子が私に駆け寄って話しかけてくる。
「ん?何故そのような事を聞くのですか?」
「だって、如月さんそんな美人なのに今まで一回も彼氏出来た事ないんでしょ!?やっぱり理想とかって超高いのかなぁって!」
女子たちはキャーキャーと盛り上がる。
人の好みなど聞いて何が楽しいのだろうか…。
「好みのタイプですか…そうですねぇ…強いて言うなら野獣のような方でしょうか?」
私はしばし考えそう答える。
すると彼女達は目をまん丸にして
しばし考えて、何か思いついたのか
またキャーキャーと騒ぎはじめた。