第4章 コウカンニッキ。
そうして、私と花宮真の交換日記ははじまった。
花宮くんは案外素直にノートにいろいろ書いてくれた。
特技はダーツだとか…
好きな食べ物はカカオ100%のチョコだとか…。
カカオ100%のチョコを食べたことがないと書くと
次の日に持ってきてくれたりした。
苦くてとてもチョコレートとは思えない品だったけど、
持ってきてくれた事が嬉しかった。
それに、私が悩みを書くと、
すごく真面目に答えてくれた。
この子は根は素直で良い子なのだ。
ただ、何かが原因で捻じ曲がってしまったのだろう。
それから、花宮くんと話す機会が増えた。
だんだん気を許してくれたのか、
嫌がらせも次第に減ってきた。
もしかしたら、彼はかまってほしかっただけだったのかもしれない。
優等生故に大人にはかまってもらえず、
優等生故に必要以上に扱いを丁寧にされる。
その大人のやりとりが
窮屈で嫌だったのかもしれない。
私は勝手にそう判断した。
花宮くんは今度の大きなバスケの大会の予選に出る事になったらしく、すごく喜んでいた。
もちろん、口に出して喜んでいたわけではないが、
それは伝わって来た。
その頃にはすっかり嫌がらせはなくなっていた。
が、事件は起きた。