第3章 ヲタク男子。
「なんか、お前と練習したら全然大丈夫な気ぃしてきた!サンキュー!如月!」
そう言って宮地くんはニコっと笑った。
「は、はい。」
「あ、そうだ!如月!今度俺の引退試合があるんだ。応援来てくれよ。」
「っへ!?応援ですか?」
「おう。もう本当に最後だからさぁ、出来るだけいろんな奴に見てもらいたいんだよ。」
そう言ってなんだか宮地くんは寂しそうな顔をしていた。
「わ、わかりました!い、いつですか?」
私がそう聞くと宮地くんは嬉しそうに笑った。
「12月2日だ!」
「12月2日ですね!わかりました…っは!」
そうだ、その日は…
大型ライブの日だ…。
どうしよう…行けない…
「ん?どうした?」
「っは!そ。その…その日が用事があって…」
私はモゴモゴとそう言った。
「は?何て言ってるか聞こえねぇ。もう一回言え。」
宮地くんは眉間にシワを寄せてそう言った。
「ひ、ひぃ!い、行きます!行きます!」
私は思わずそう言ってしまった。
「おう!楽しみにしてるなっ!」
そう言って宮地くんは帰って行った。
…ど、どうしよう…。