第3章 ヲタク男子。
「ま、そんなことで、握手の練習付き合ってくれ!」
そう言って宮地くんは私に手を差し出した。
「は、はい。」
私は差し出された宮地くんの手を握った。
「…あ。」
思わず驚いた。
宮地くんの手のひらはマメだらけだったのだ。
「あ、やっぱり女の子はコレ嫌かな?気持ちわりぃよな。」
「い、いえ。そんな事ないと思います。す、素敵です!」
私は思わずそういってしまった。
「へ?マメが素敵か?」
宮地くんは不思議そうな顔をしていた。
「はい!だって、これは努力をしたからこそ出来るモノです!それはとっても素敵な事です!」
私は始めて真っ直ぐ宮地くんを見た。
「…っぷ。ありがと。」
そう言って宮地くんは笑った。
その顔がすごくキレイで
なんだかドキドキしてしまった。
それから私たちは握手の練習をたくさんした。
宮地くんはなんだか嬉しそうだった。
私もなんだか嬉しくなった。
それと同時になんだか罪悪感が沸いてきた。
りんりんであることを隠している自分に…