第3章 ヲタク男子。
「ふぅーん。宮地くんってなんか面白いねぇー。」
そう言いつつ女子たちはつまらなそうにしていた。
宮地くんは口は悪いけど、
頭もいいし、身長も高いし…何より凄く優しいから
女子には人気なのだ。
だから、そんな宮地くんがアイドルヲタクっていうのは
女子的には面白くないのだろう。
「りんりんって言えば…うちのクラスには全く一緒の名前の子がいるよねぇ?まぁ…なんか残念な子だけど…?キャハハ」
女子たちが笑いながら小声になってない小声で言い放った。
後ろから視線が突き刺さる。
「あ?あぁ。そういえば如月ってりんりんと全く一緒の名前だな。…すげぇ!超偶然じゃん!おい、如月!お前もしかして、りんりんなのか!?」
悪ノリした男子がそう言って私の肩を叩いた。
「ち…違います。」
私は振り返りそう言うとすぐにまた正面を向いた。
「えぇ~?本当にぃ~?その眼鏡とったらりんりんみたいになるとかないのぉ~?取ってみてよぉ!」
更に悪ノリした女子が私の眼鏡を取ろうとしてきた。
「や、やめてくださいっ!何も見えなくなるので…!やめてくださいっ!」
私は必死で拒否したが、
みんなで群がって私の眼鏡を取ろうとしてくる。
やばい…
眼鏡を取られたらっ…!
「コラっ!お前らやめろよ!如月が困ってんだろ!轢き殺すぞ!」
そんな困っている私を助けてくれたのは
また宮地くんだった。
"キーンコーンカーンコーン"
「もぉー、そんな怒んなって!お、予鈴だ!戻ろうぜぇー。」
みんな、それぞれの席へと戻って行った。
私は安堵の溜息をついた。