第10章 しんでれらがーる☆
「お前はシンデレラって知ってるか?」
「…へ?」
「シンデレラは王子と釣りあう女か?」
「…はい。」
「何故なのだよ。貧しくて、薄汚い服着た女だぞ。」
「…好き同士だから…関係ないです。」
私がそういうと、
緑間くんはニヤっと笑った。
「つまり…そういう事なのだよ。」
「…。」
しばらくすると、
屋上のドアが開いた。
「凛ちゃん!」
高尾くんだった。
「高尾くん…。」
高尾くんは何やらいつもより険しい表情をしていた。
「あのさ!今日の態度…どういうつもり!?俺何かした!?」
「…ごめんなさい…。」
私がそういうと、
高尾くんは少し困ったような顔をした。
「…うぅ…そう素直に謝られると…調子狂うな。…その…俺、嫌われる事した…?」
「…。」
私は無言で首を振った。
「じゃぁ…なんで?」
「…。」
私が黙り込んでいると、
緑間くんが私の背中を押した。
「うわぁ!?」
私は思わず前に倒れこむ。
勢い余って高尾くんに抱きつく形になる。
「…うぉ!?どうした!?」
高尾くんが困惑するように私を抱きとめる。
緑間くんはそのまま
屋上から出て行った。
「ご、ごめんなさい!」
私が離れようとするが、
体をぎゅっと包み込まれる。