第10章 しんでれらがーる☆
「俺さ、すっげぇー不安だったんだよ。嫌われたんじゃないかって…」
高尾くんの胸から
速い心臓の音が聞こえる。
「俺…凛ちゃんのことが好きで…でも、凛ちゃんは俺みたいなの絶対好きじゃないだろうなって思ってて…釣りあわないんじゃないかって不安で…」
抱きしめる力が更に強くなる。
「でも、たまに話しかけると笑ってくれて…だから嬉しくて思わず話しかけすぎちゃってたから…嫌われたかと…。」
「…ごめんなさい…。」
私が謝ると、
高尾くんは黙り込んだ。
「…私もずっと…高尾くんが好きでした。」
「…へ?」
「す…好きです!」
私がもう一度顔をあげて、
そういうと高尾くんは
しばらく驚いたような顔をしていたが、
ぎゅっと私を強くだきしめた。
「ありがとう。俺も…好きだっ!!!」
私も彼をぎゅっと抱きしめる。
嬉しかった。
まるで物語の主人公になれたみたい…。
まさか、こんな素敵な王子様が
私を好きでいてくれたなんて…。