第10章 しんでれらがーる☆
昼休み、
私はすぐに教室を飛び出た。
階段を駆け上がり、
屋上に出ると
なんだかふっと心が軽くなった。
「…はぁ。」
大きく溜息を漏らす。
「…何かあったのか?」
背後からの突然の声に
思わず驚く。
「ほぁ!!??み、緑間くん!?」
後ろを振り向くと、
アイドルのうちわを持った緑間くんが立っていた。
「今日は…何か様子が変なのだよ。何があった?」
緑間くんはうちわをパタパタとさせながら
ベンチに腰掛けた。
「…いえ…別に…。」
「…はぁ。高尾の事か?」
緑間くんは眉をひそめてそう言った。
「へ!?な、何でですか!?」
「はぁ…お前らはわかりやすすぎるのだよ。見てて逆にじれったいのだよ。」
緑間くんはどこからともなくおしるこを取り出すと
飲みはじめた。
「…私では…高尾くんに釣り合いません…」
「そんなの誰が決めたのだよ。」
「…普通に見ていればわかります。」
私がそういうと、
緑間くんは立ち上がり、私の顔を覗き込んだ。