第9章 絶滅危惧種系彼女。
しばらく走り、
公園のブランコに座る。
どいつもこいつも裏切りやがって…
私は思わず溜息をついた。
「恋かぁ…。」
夕焼け色になりはじめた空を眺めて
私はまた大きく溜息をついた。
"グラッ"
「うおぉぉ!!??」
突然ブランコが大きく揺らされる。
驚き振り返ると、
物凄い形相で物凄いボロボロな緑間が居た。
「やっと見つけたのだよ!!!!」
そうして緑間は私の手を掴んだ。
「もう、逃がさないのだよ。」
「へ?あ、ご、ごめんごめん。怒んなって!!!」
その形相に思わず怯む。
「全く…ポイ捨てはダメなのだよ!お前のせいで、あの辺り一帯のゴミ拾いをしてしまったのだよ!あそこはゴミだらけなのだよ!お前の仕業か!?」
緑間は早口でどんどんと説教を始める。
「でも、あそこでゴミを拾ってたらツチノコを見つけたのだよ。ラッキーだったのだよ。」
緑間は嬉しそうに笑った。
「…っぶは!!!!!」
私は思わず笑った。
「…っな!何で笑うのだよ!ツチノコはすごいのだよ!」
緑間は顔を真っ赤にした。
「おう、すごいな!いや…緑間ってそんなキャラと思わなかったから。」
ケラケラと笑う私を不思議そうな顔で見ていた。
「…お前は笑ったら可愛いのだよ。」
緑間はボソっとそう言った。
「…っな///」
「な、なんでもないのだよ!…はぁ、こんな時間なのだよ。学校をさぼってしまったのだよ。最悪なのだよ。」
緑間は溜息をつき、
私の隣のブランコに腰掛けた。
「そりゃ、とんだ厄日だったなぁー。」
私がそういうと、
緑間は小さく首を横に振った気がした。
「…?」
私が不思議そうに眺めていると、
緑間が立ち上がった。
「もう我慢できんのだよ!ほら!さっさと行くのだよ!!!!!」
そう言って緑間は私の手を握り
歩きはじめた。
「は!?ちょ!?どこへ!?」
私は引き連れられるままいろんな所へ行った。