第2章 中編
シャワールームを出て、私はまだ濡れ髪のまま廊下を歩いていた。
着替えはブルマさんが用意してくれたパジャマだ。(最初レースのいっぱい付いたネグリジェを差し出されたが、丁重にお断りした)
リビングまであと少しのところで、向こうから歩いてくる誰かの足音に気付いた。
「あ」
「あ」
姿が見えて、お互い同じように声を上げる。
それはトランクスだった。なぜかその顔は赤い。
「お風呂までありがとう。お蔭ですごくさっぱりしたわ!」
「い、いえ!」
やっぱり顔の赤いトランクスを疑問に思いつつ私は続ける。
「なんかごめんね、今日会ったばかりなのに……」
「そんな、気にしないで下さい。この家今はムダに広いだけですし、良かったらこの都にいる間はずっとここに居てくださっても」
「え! いいの!?」
「わっ」
思わず近付き言うと彼は酷く慌てたように後ずさった。
「え?」
「いえ、な、何でも……。そ、それじゃあオレは部屋に行きますので、お、おやすみなさい!」
足早に通り過ぎていったトランクスの背中を私はポカンと見つめる。
「耳まで真っ赤……」