第1章 前編
そう思った私は落胆したふりを見せながら続けた。
「じゃぁ、やっぱり都中を探すしかないですね。……わかりました。こんなにご馳走になってしまって本当にありがとうございました! あ、お礼と言っては何なんですが、何かお手伝いできることはありませんか? これでも力だけはあるんです!」
笑顔で言うと、彼らも安心したように顔をほころばせた。
「そう? じゃあお言葉に甘えさせてもらっちゃおうかしら」
「はい! なんなりと!」
当てもなく都を彷徨うよりも、少しでもここに長くいた方が、彼に……金色の戦士に早く近づける気がした。