第3章 後編
「ごめんなさい!」
ひとしきり泣いて落ち着いた私は二人に深く頭を下げた。
今日初めて会ったばかりだというのに、しかもこんな夜中に一人で大騒ぎした自分が恥かしくてたまらなかった。
……お蔭で、心はとてもスッキリしていたけれど。
「いいのよ。でも良かったわ、。これで普通の女の子出来るわね」
「え?」
「やっぱり女の子は女の子らしく生きなくちゃ!」
ウィンクしながら言うブルマさんに、私は曖昧に笑う。
「……でも、どんなふうにしたらいいか、わからないです。これまでずっと女らしいこと、殆どしてこなかったので」
「まだ若いんだから、これから色々楽しめばいいのよ。これまでしてこなかった分もね!」
「はい……」
「じゃあ、まずは手始めにデートなんてどう? 良かったらトランクスと♪」
「母さん!」
赤くなったトランクスを見て、私はくすくすと笑う。
こう見ると、やっぱり彼が金色の戦士だとは信じられなかった。
でも、それはこの目で見た確かなこと。
「トランクス、色々とごめんなさい」
「い、いえ」
「あと、ありがとう!」
「え?」
「多分私、貴方じゃなかったらこんな気持ちになれなかったと思う。金色の戦士が、トランクスで良かった」
そう笑顔で言うと、彼の顔がまた少し赤くなった気がした。
その夜、私はブルマさんの部屋に泊まらせてもらうことになった。
彼女は色々な話をしてくれた。
恋愛話も多かったけれど、それ以上にしてくれたのはトランクスの話。
彼がどういう想いで人造人間たちと戦ってきたか……、その長く悲しい道のりを。
それを聞いて、私は改めて彼に申し訳ないと思った。
――そして、同時に彼のことをもっと知りたい、そう思っていた。