第2章 夜の散歩
「黒斗!散歩がてら魔術の材料を探しに行くぞ」
鈴は俺がいても御構い無しに色々やってるが
今回は俺を巻き込むか…
というか、俺、男だぜ
普通意識しねーか…!?
コイツには顔は意味がねーみたいだな…
「いいけど、お前…、こんな夜から行ってどうするんだよ
ぜってー朝の方が探しやすいだろうが」
「ロマンがあるじゃないか!今までは1人で夜の外は怖…、ごほん!
今までも1人で行っていたんだがな、夜に光る花があるんだ
これが材料でなー」
と嬉しそうに語る鈴
しゃーねーなー…
「ついていってやるけど、変な行動起こすなよ」
「やったー!じゃぁ、早速行こうか!」
そんなこんなで夜の森に行く事になった
…今までのタイプと違いすぎて幸せにすんの面倒くせー…
というより、十分に幸せにしたんじゃねぇの?
何がたりないっつーんだよ…
「黒斗!黒猫ちゃんがいるぞ!
幸先が良いな!」
「お前って呑気なのな…」
そんな話をしながら歩いていると後ろから声をかけられる
「兄ちゃん、可愛い女の子連れてんじゃねえか、痛い目見たくなけりゃ、俺達に貸してくんね?」
典型的な奴らだ…
鈴は…
あわわわ と非常に困っている。が
「く、黒斗、私は大丈夫だから、お前は先に家に帰っていろ
何も黒斗が痛い目に合う必要はないからな!」
と涙目で言ってやがる
…はぁー
「悪りぃけど、人のデートの邪魔しないでくれるか?
ようやく時間が取れて久しぶりに合うんだよ
それに鈴がお前らみたいなヤツ、相手にするわけねーだろ」
と言い放つ
見事にブチ切れてやがる
理性が飛んだヤツを相手するのは簡単だ
俺は次々にチンピラをのしていく
「わぉー…、黒斗ありがとう!
あ、怪我はないか!?何て無茶をするんだ…」
「大丈夫だ、夜は危ないだろ?極力出ないのが1番だ
もしくは俺を常に連れて行け」
と言う
これで、株価アップか…?
ひょっとしたら恋愛関係で満たさなければいけねーのかもしれないからな
あー、面倒くせー
「分かった、今度からは黒斗に頼もう!」
…1人で夜の外に出た事ねーくせに…
「後々、嘘は駄目だぞ
私たちは付き合っていないじゃないか
デートだなんて…」
と言って、フィっとそっぽを向いた鈴の頬は、微かに赤くなっていた