第2章 夜の散歩
森の前に着いたんだが…
鈴が中々森に入ろうとしない
「…ひょっとして、お前、怖いのか?」
「な、何を言っているんだ!怖いわけないだろう。
これは武者震いだ…」
気付いたら震えてもやがる、情けねーの…
「ほら行くぞ」
と鈴の手を引く
「あ、あぁ…、こ、怖かったらいつでも私を頼ると良いぞ!」
可愛げのないヤツ、でもそんな所が居心地が良かったりするんだけどな
いつもの相手とは全然違う、新鮮だ
「おぉ!黒斗!あったぞ
この花だ、綺麗だなー…」
確かにその花は綺麗だった
「さて、帰るか」
「魔術の材料だろ?持って帰らねーのか?」
俺は疑問に思った、あんなに求めていたのに何でだ?
「綺麗で摘むのが勿体無くなってな…」
と笑う鈴の笑顔が花の光に照らされて、凄く魅力的に…
って俺は何を考えてるんだ
相手はガキだし殺す対象だぞ
変な気は起こすな…
帰り道、アイツは上機嫌で
俺はモヤモヤとした気持ちだった