第3章 過ごし方について 日常
「いらっしゃい」
「来たよ❤︎」
恒例になりつつある挨拶
今日も頑張ってご飯を一緒に食べた
最近は少し震えも止まった
ヒソカさんが頭を撫でる
くすぐったい
「食べにくい…」
「頑張ってるご褒美だよ♠︎」
もっと別のご褒美が欲しい
ヒソカさんはご飯が終わったら、いつも直ぐに帰るのに
今日はどう言う気まぐれか、まだ家に居た
あまり人と過ごす事の無い私にとっては、何を話したら良いのか分からない
沈黙が怖い…
と焦っていると、ヒソカさんが何処からともなくトランプを取り出した
そしてトランプをシャッフルし、並べると私にカードを選べと促す
どうやら手品を見せてくれるらしい
私は手品が大好きだ
不思議な事が好き、分からない現象が好き
だからこのヒソカさんとの手品の時間は凄く楽しかった。
サインを書いたハートのエースは宝物にしよう
それくらいヒソカさんの手品は素晴らしかった
「キミって、ボクがヤッてる時は子供みたいにはしゃぐんだね♦︎
ゾクゾクしちゃうよ❤︎」
「え…、あ、気付かなかった…」
手品に興奮しすぎて口調が乱れていたらしい
変じゃなかったかな、恥ずかしい
「ボクはどっちのキミも好きだよ❤︎」
「あ、ありがとう」
とりあえず、大丈夫みたい
好きとまでは言われると思わなかったけど、気まぐれみたいだから本心はよく分からない
好きになられても困るけど…
私は全然ヒソカさんのことを知らない。
「足はどうだい?」
「まだ痛い、見てれば分かると思うけど…」
ヒソカさんは足の心配をよくしてくれる
本当に良い人だ
絡まれていた人に捕まっていたら、今頃どうなっていたか…
考えるだけで恐ろしい。