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【FHQ】勇者の物語

第6章 勇者の剣


俺はその言葉が引っかかった。

「イワイズミさん、旅に出るの迷ってたんですか?」
「ん?ああ、そうだな。すげぇ迷ってた」

イワイズミさんはまた歩き出した。俺も置いて行かれないように付いて行く。

「上ばっかり見てて、足元を見ない奴がいてさ」
「よく転んだんでしょうね」
「……ヒナタ、これ比喩だぞ」
「え!あ!そうなんですか!?」

やっべ!恥ずかしい!
普通そうだよな。上を向いて歩く奴なんて、空とか鳥を観察してる人くらいだ。

「そんな奴だったから、俺が偶に喝入れてやらないと、すぐくたばっちまいそうで、離れにくかったんだ」
「そうなんですね」

イワイズミさんの顔が少し寂しく見える。

「そこで相談にのってくれたのが、あの人生を語るアイツだ」

イワイズミさんの顔が優しくなった。

「アイツには世話んなった。なんか礼をしたいな」
「いいですね。きっと喜んでくれますよ」
「お前、いい事言うな!」

イワイズミさんにガシガシ撫でられる。タナカさんに撫でられた時のことを思い出した。

「お、着いたぜ」
「ありがとうございます!」
「おう。明日の朝、迎えに行くから準備しておけよ」
「はい!おやすみなさい」
「ああ。おやすみ」

イワイズミさんは廊下を戻って行く。
俺とアオネさんは部屋に入って、度肝を抜いた。

部屋が豪華すぎる!!!

「俺、寝れない気がする」

アオネさんも同感だと言うように、何度も頭を縦に振る。





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