第5章 旅立ち
私は書いた手紙を持って、村役場まで持っていきます。
「やっちゃん。よく寝れた?」
「あまりいい目覚めではなかったです」
「ははは、そうか。あ、手紙預かるよ」
「はい。ありがとうございます」
受付のスガワラさんがスタンプを押します。
「宛先は、いつもの所?」
「はい。お願いします」
宛先は、母の仕事場です。
王都近辺の服飾工房で働いています。仕事が忙しいのか、一度もお返事が来たことはありませんが、きちんと届いていてほしいです。
「では、これで失礼します」
「あ、待って」
私が一礼して役場を出ようとすると、スガワラさんに呼び止められました。
「昼飯、みんなで食べに行くね」
「……!はい!お待ちしております!」