第4章 来客
その日は、突然来た。
「あ、あれ?」
「どうしたの?ヤチさん」
「あ、ヒナタ。あのね……」
ヤチさんの代わりに、村に調味料の買い足しに行った時。
「ヒナタ!ちょうど良いところに!」
「ヤマグチ?どうした」
「村の門まで、これ運ぶの手伝ってくれる?」
「お安い御用さ!」
ヤマグチの荷物を持って門まで行ったら。
「待て!何者だ!」
サワムラさんが検問をしていた。
相手は全身をすっぽり覆うローブを着た2人と重症の1人。重症の人はローブを着てない。
「俺たちが入れないなら、ここでお別れだ」
「あとよろしく」
ローブの2人は重症者を乱暴に地面に落とすと、さっさと林へ消えていった。
「おい待て!」
サワムラさんは2人を追おうとするが、重症者が気になってやめた。
「サワムラさん!宿まで運びましょうか?」
「お、ヒナタ!……じゃあ頼んでいいか?」
俺は重症者を担いで、ヤマグチは俺が買った調味料類を持って宿に向かう。
「うっ、ぐっ、おっも!」
「ヒナタ、俺代わろうか?」
「ダイ、ジョーブ!」
「でも、この人ヒナタより背が高いし……」
「ダイジョーブだってば!」
この出会いが、俺たちのこれからの人生を大きく変えるなんて、この時はまだ思っていなかった。