第1章 悲しい過去
俺は木刀を引き摺って、いつもの広場に行く。
羊みたいな雲がちらほら見える朝。誕生日の次の日が晴れなのは嬉しい。
いつもの木の下で、俺の親友を見つけた。
イズミンことイズミ ユキタカとコージーことセキムキ コウジだ。
「おーっす!イズミン!コージー!見てみてー!」
「おはよう、ショウちゃん!すごい!木刀だ!」
「へっへー!父さんからの誕生日プレゼント!」
俺の自慢をイズミンとコージーは嫌な顔一つせずに聞いてくれる。俺はコイツらが大好きだ。
「ショウちゃん、木刀ってすごい重いんだよね?あんま振り回すと危ないんじゃない?」
「今はそうでも、いつか使いこなす!」
俺が宣言するとコージーは笑った。
「おー、やってみろ」
あ、コイツ、俺の事バカにしたな?絶対使いこなせるようになってやる!
おっとその前に、2人にはお礼を言わないとな。
「イズミン!Tシャツありがと!コージー!花の種ありがとな!ナツが花壇に植えたから!」
昨日の昼間に2人から受け取った誕生日プレゼント。
俺が今着てるシンプルなロゴが入ったTシャツをイズミンがくれて、コージーはなんかの花の種をくれた。種類忘れた。
「どういたしまして!よく似合ってるよ!」
「ちゃんと陽の当たるところに植えたんだろうな?つーか植えたのお前じゃねぇのかよ!」
3人で笑い合って、ボールや鬼ごっこで遊んでいるとあっという間に時間は過ぎてもう昼飯の時間だ。
「じゃあまた明日な!」
「また明日!ショウちゃんよいお年を!」
「年末かよ!ショウヨウ、ひまわり枯らしたらぶん殴る!」
「コージー物騒!」
俺とイズミンとコージーは広場からそれぞれの帰路につく。
この時まで、俺はまた明日会えると思っていた。親友のイズミンとコージーとは付き合いが本当に長いんだ。
毎日会っても飽きない、本当に大好きなんだ。
だから、お願い。
俺の大好きなこの村を…………