第2章 第2の故郷
スガワラさんの話を要約するとこうなる。
何年も前から、ある女性に魔女の疑いがかけられていた。
その女性はまさしく、『容姿端麗』『才色兼備』という言葉に相応しい人だった。
絶世の麗人と呼ばれ、沢山の男性を虜にし、女性も尊敬した。
彼女の美しさは本物だが、どこか作り物のような部分もあったと言う。
彼女が魔女と断定する決め手となったのは、
趣味が植物と昆虫の採集という事と、
誰も知らない彼女の家、
いつまでも変わらないその美貌。
彼女に向けられていた尊敬と慈愛に満ちた眼差しは、いつしか嫉妬と嫌悪で蔑むような視線に変わった。
周囲の人間達の不信感から、彼女の処刑は決定される。
村長の制止も虚しく終わり、
夜明けの晩、彼女は火刑に処された。
焼け残った遺体は無かったという。