第12章 治療と強化と邂逅
シェルターの入り口近くで皆と合流する。
全員の顔を一気に見られるのは随分久しぶりだ。……俺の感覚では。
「あれ、どこか行くのか?」
「モニワさん!」
アオネさんが元々いたとある組織の組長のモニワさん。人懐っこい印象を受ける顔に相応しく、すごくいい人。怒ると怖いらしいけど。
「ちょっと買い出しに」
イワイズミさんが答えると、モニワさんは納得したように頷き、何かを思い出したように手を打った。
「そうだ! いい武器屋を知ってるんだ。そこでは防具も売ってるし、良かったらどう?」
異論はなかった。
モニワさんは事情で忙しいから場所のメモを貰った。
シェルターを出ると、眩しい朝日が……無かった。
土砂降りの雨。しかもあまりいい雨ではなさそう。
ケンマはマントを目深に被ると、
「ごめん、急用が入った。夕方には戻る」
と言い残して、引き止める間も無く走って雑踏の中へ消えていった。
「え……ケンマ?」
「気にするな、俺たちは店に行こう」
イワイズミさんはカッパを着てスタスタと歩き出した。カゲヤマもそれに倣う。
俺とアオネさんも急いで後を追う。
モニワさんが言っていた武器は、老舗という言葉が似合いそうな雰囲気の店で、工業都市の伊達街に似合わない木造の建物だった。
伊達街の建物は基本的にコンクリートか石で出来ていて、木はやはり浮いて見える。
店内は広いが人の通れる場所が少なくて結局狭い。各種様々な武器が展示・販売されている。
防具も店の一角に置かれていたが、そこらの店より品揃えは豊富なようだ。
俺はカッパを脱ぎ、持ってきた鎧をカウンターに置いた。
「修理してください!」
俺が言うや否や、店の人は目が溢れんばかりに驚き、イワイズミさんもカゲヤマも目を丸くしていた。
気になって思わずアオネさんも見てみると、呆れたように首を横に振っていた。
……どういうこと?