第11章 7日間
「上級白魔術の痺れ取り……?」
コヅメが俺の言葉を反芻した。
頷いて見せると、コヅメは眉を顰めて俯いた。どこか悔しがっている様にも見える。
魔法自体は問題なく作用している。だから、今取っ払うべきは全身の痺れ。でもその痺れも初級魔法で簡単に取れる様な代物じゃない。
魔法使いでない人間が魔法を使うには大掛かりな装置がいる。上級魔法となれば、規模はその分大きくなる。
ヒナタは空になった缶を握りしめた。
緊張する必要はない。
俺はヒナタの頭に手を置いた。
ヒナタの俺を見上げる目には信頼と決意があるが、まだ影が潜む。
その「影」を取る作業が、明日行われる。
「無理すんなよ」
「ガンバレ」
イワイズミさんとコヅメが声を掛けて、ヒナタは笑顔で親指を立てた。
「おう!」