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✿イケメンライブ✿歌で奏でる恋物語

第2章 〜独り占め〜(律)




「律くん?入っていい?」

「…どうぞ」


私はいつもの通り お邪魔します と一言いってから律くんの部屋に入り,コーヒーが乗ったお盆を机の上に置いた。


「律くん,コーヒー飲む?」

「うん…ありがと」


そう言って律くんと机を挟んで向かい合わせに座り,一緒に私が淹れたコーヒーを飲んだ。


「ねぇ,今回は何点?」

「…65点」

「あ,前より上がった!」


そんなふうにはしゃいでしまった私を,律くんは,は?という顔で見る。


「喜ぶとこ,そこ?」

「だって前より上がったし…ふふっ」

「…何?」

「嬉しかったから!それと,前にもこんな会話したなぁって思って,懐かしくなって」


私と律くんが恋人になる前に,何度か律くんの部屋に来て,私が淹れたコーヒーを飲んでもらったときにも似たような会話をした。その頃を思い出すと懐かしくなる。
すると,律くんも少し懐かしいような声を出した。


「ああ…確かにね。少し前にあった」

「あの時は律くん優しくなかったもんね。どうやったら上手く話せるかなって苦労したもん」

「…仕方ないでしょ」


たわいない話をしていたら,私はふとあることに気が付き,律くんに問いかけた。


「律くん,なんか言いたいことある?」

「は?」

「いや,なんか雰囲気がいつもより焦ってるっていうか…なんか気まずそうっていうか…」

「……」


律くんはそれっきり黙ってしまった。
気まずい空気が流れ,居たたまれなくなった私は, 新しいコーヒー淹れてくるね と言って部屋を出ようと思った。けど,


「待って」


という律くんの一言に引き留められた。
なんで引き留めたのか分からず,私は律くんに問い掛けた。


「なに…?」

「あのさ,俺がなんか言いたそうにしてた理由なんだけど…」

「え…?うん」

「今日,宗詩達と出掛けたでしょ?」

「宗ちゃん達と?うん,出掛けたよ?それが何かあった?」


宗ちゃん達と出掛けたら何か悪かったのだろうか。それとも今日は何かの記念日だったのだろうか?考えても私の中で答えは出ない。このままでは埒が明かないと思っていたら,律くんが意外な事を言った。
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