第17章 卒業*日向*
そんなことを思っていたある日。
女「日向先輩!ずっと好きでした!よかったら付き合ってください!!」
ヤラレタ... 。
ここは人通りが少ない廊下。
私は課題を出しに理科室まで行っていて、その帰りにここに来た。
最悪のタイミングだ。
日向「気持ちは嬉しいけど、ごめん。」
うわ....。
フラれてるの自分じゃないのに傷つく。
女「ど、どうしてですか...」
日向「俺、あんたのことよく知らないし...好きでもないのに、付き合えない」
女「そ...ですか...。」
消えそうな声でそう言ったあと、女の子が走っていく音が聞こえた。
キツいよね。私もああなるのかな。
よく考えたら、私も知らない人なんじゃないのかな?
少しは話せるけど...。
日向「?なにやってんだ?」
一人でモヤモヤしていると、日向先輩に気づかれてしまった。
さらに私は今しゃがんで頭を抱えている状態。確かになにやってんだか。
「な、なんでもないです.. 」
顔を下に向けながら立ち上がる。
日向「なんもないのにこんなとこ...っつか今の聞いてたのか?」
肩がわずかに動く。
言わずとも日向先輩はそれで察した。
日向「はぁー... 」
「ご、ごめんなさい!聞くつもりじゃなかったんです!!」
ため息こわい!!
でもこれは事故!そう!わざとじゃない!
日向「別に怒ってねーよ。ただ、これでやめられたらなって思っただけだ。」
「やめる?」
日向「おう。」
やめるってなにをだろう。
それに誰が?
眉間にシワを寄せていると、ククッと笑い声が聞こえた。
日向「お前のことだよ、」
え、私?