第17章 卒業*日向*
あれから一週間。
リコ先輩に借りてたCD返し忘れてたのを思い出して、三年生の教室棟にいる。
「リコ先輩、何組だっけ」
三年生以外はあまり来ないから、二年生の私はやたら目立ってしまう、
し、視線が痛い ...。
携帯を取ろうと、目を下に向けた時、後ろから声がかかった。
日向「あれ??」
久しぶりに聞いたその声に体は大きく反応する。
「日向.. 先輩」
日向「なにしてんだ、こんな所で。」
「いやあの、リコ先輩の教室がわからなくて...」
日向「監督の?なんか伝えることあるなら、俺が聞くぞ」
「えと、伝言じゃなくてこのCD返したくて」
わー喋ってるー!!
と内心思いながら、持っていた紙袋を自分の前に差し出した。
日向「渡しとくよ」
「あ、ありがとうございます!」
日向先輩が紙袋に手をかけた時、少しだけ自分の指に触れた。
それだけなのに、体が熱くなって、それが顔に集中していく。
日向「顔、赤いけど大丈夫か?」
「だだだ大丈夫です!ありがとうございましたぁ!」
全力疾走で教室棟からでる。
これだけでも心臓が壊れそうなのに...。
告白なんてできるわけないよ。