第16章 メルヘンチック*黄瀬*
「なんじゃこれ...」
私がちょっとトイレに行った隙に、涼太の席には溢れんばかりの女の子が。
いつもより多い。そしてうるさい。
女「私、お弁当作ってきたの!お昼一緒に食べよう!」
女「いやいや私と一緒に!!」
「なにしてんの?」
私が一声出せば、周り囲んでいる一番外側から私を睨んでくる。
女「1日くらいいーじゃん、毎日食べてんでしょー」
女「そーよ!それに黄瀬くんはあんたの物じゃないんだから」
黄瀬「...な、なんスかこの空気」
「涼太は私の彼氏だよ。何回言えばわかるの?」
いいかげん私も腹が立っている。
その矛先は涼太にも。
「涼太も、ちゃんと断ってって言ってるでしょ?どうせ食べないんだからそんなの」
女「そんなのって...一生懸命作ったのに!」
黄瀬「っち、そんなに言わなくてもいいじゃないっスか。確かに食べてあげられないけど、そんな貶さなくても.. 」
女「黄瀬くんやさしー♡」
ふーん。その子たちの味方するんだ。
いつもなら私も反省するけど、残念ながら今日はあの日で機嫌が悪い。
「んじゃあ、今日はその子たちと食べれば?私は食堂行くし」
そう言った後は自分の席に着いて、ひたすら携帯とにらめっこをしていた。
こうやって喧嘩をした時は、涼太が大抵折れてくれるけど、今日は私が悪い。
それに、あれ以来女の子たちが涼太を囲んでるから、涼太もこっちに来れない。
謝ろうかなとチラッとみるけど、女の子たちを見る度に腹が立つ。
まさかこれがきっかけで別れるなんてないよね?
ないないないない。