第15章 許容範囲 *今吉*
あぁ、私終わったな。
.....あれ?
なんでこんなに遅く感じるんだろう。
一向に床に落ちる感触がしない。
若松「...あっぶね」
おそるおそる目を開けると、そこには金髪っぽい頭の男性が。
今吉「若松!ようやった!」
そこで私はなにを思ったのか、抱きかかえてられているのにその男性の首に腕を回した。
「落ちる!」
と叫びながら。
今吉「ちょ、?!なにやっとんや!!」
はっと我にかえった。
なにやってんだ私!!!!
「うっわぁ!ごめんなさいぃ!!」
きまづい沈黙。
立ちすくむ私。
今吉「....、怪我はないか?」
「え、うん...」
今吉「ほな、帰ろか」
微笑んだ翔一の後ろには黒いオーラ。
いくら事故とはいえ、最後のハグは絶対にいらなかった。
超怒ってる。
翔一は置いておいたジャージを羽織り、鞄を持って私の手を引いた。
こわいこわいこわいこわい。
握られている手から怒りが移ってくるくるぐらい。
今吉「なぁ...」
キタ.... 。何言われるんだろ...
「はい...」
今吉「最後のあれはなんや?」
「えっと....」