第2章 わがまま*日向*
「行く!行きたい!!わぁーっすっごい楽しみ!!」
ほんとに嬉しくて声が大きくなってしまう。
久しぶりのデート!きゃっふー!!!
日向「声でかい!!ダァホ!...でもま、俺がそんだけ構ってやれてなかったって事だよな。」
せつなげな顔を浮かべる順平。
確かに少し寂しかったけど、今は次の約束を楽しみにしてほしい。
「そんな顔しなくていいよ!順平はバスケ頑張ってていいんだから。私はバスケやってる順平も好き!」
日向「な!!お前、よくそんなこと言えるな....。あんがとな。でも、我慢してねーか?」
「してないよ!来週楽しみにしてる!!」
さっきまでのわがままを胸の奥にしまって順平に笑顔を見せた。
日向「んじゃ、細かい事はまた連絡するわ。弁当さんきゅーな」
「うん、待ってる!」
手を振った後、私は帰路についた。
寂しいなんておもっちゃだめだ。こうやってデートできるんだもんね、幸せだと思わないと!
その日、順平から電話があった。
日向『もしもし、?』
「うん!どうしたの?」
日向『今度のデートの事決めようと思ってな。どっか行きたいとこないか?』
「そうだなー水族館とか行きたい!」
日向『うし!じゃあ水族館な!何時にする?ー....』
順平とのデート計画が楽しくてついつい会話がはずんでしまう。
時折聞こえるあくびに気がついた私は慌てて謝る。
「ごめん順平!疲れてるのに長話して...」
日向『ん?あぁ気にしなくてよかったのに。悪ぃな気遣わせて』
「ううん。ごめんね?ゆっくり休んで」
日向「あぁ...。あ、なぁ」
「うん?」
日向『いつもありがとうな。好きだぜ』
......?!
「え?!ちょ、順平?!何言って!」
日向『じゃあな!おやすみ!』
混乱したまま電話が切れた。
私は携帯を握り締めたまま、顔を赤く染めていた。