第14章 cooking*黒子*
「おわぁ!」
黒子「どうしたんですか?」
「や、じゃがいもが滑っただけ...」
このじゃがいも!さっきから滑りやがって!
「ぎゅっと...(皮をむこうとする)...ツルッ!...もう!」
黒子「クスッ」
なんで滑るの~?まだ一個もむけてない。
しかも皮が剥けてないのは、頭とお尻の部分だけ。
帽子とパン2だけみたいな?
黒子「そこだけ、僕が剥きます」
「え?」
黒子「このままだと、さんが怪我をしてしまいそうなので」
「ご、ごめんなさい...」
黒子「大丈夫です。あと1つ残ってるんで周りの皮剥いてもらえますか?」
「うん!」
相変わらず優しい。
じゃがいもを剥き終わった後は、にんじんの皮と玉ねぎの皮を取る。
次はいよいよ包丁。
実は私は包丁を使うのがすごく下手。
指を切り落とすかもという勢いで切るから、普段お母さんは渡しに包丁を触らせない。
で、できるかな...
黒子「さんは、包丁使ったことあるんですよね?」
「ある事にはあるけど、すごい危険。」
黒子「危険.. ?」
「ズドンッて音が鳴る」
黒子「危険ですね」
この結果、野菜は全部黒子くんが切ることになった。
包丁の持ち方を後ろから教えてもらう...みたいなシチュエーション憧れてたんだけどな。
野菜を全て切り終わると、次は材料を炒める準備。
フライパンに火をかけて、油をひく。
ここまでは私がやる。
「最初は肉だよね?」
黒子「そうですよ」
確認しないと失敗してしまうから、しっかり聞いて肉を炒める。
黒子「そろそろ野菜も入れましょうか」
ボウルに入れておいた野菜を一気にフライパンへ。
そのままゆっくり混ぜて全面に火が通るようにする。
火がとおったら鍋に移し替えて水を入れてしばらく煮込む。
「ふぅっあとはルゥだけだね」
黒子「そうですね」
一通り終わったあとはリビングのソファに座った。
さっきとは違ってやることがなくて静寂が私達を包む。
そういえば、聞きたいことがあったんだ。