第6章 渡さない*黄瀬*
そして放課後。
っちはやく来ないかなーって思いながら待ってる。
今日は移動が多くて、なかなか休み時間に顔出せなかったッスから早く会いたい!
......?
やけに遅くないっスか?
授業もとっくにおわってるし、掃除当番だとしても遅すぎる。
もしかしてっちの身になにかあったとか?!
っち無事ッスか!?
って一人で焦ってたらっちが来たっス。
黄瀬「っち!...?」
なんか暗いっすね...。下向いてるし。
いつも名前を呼んだら嬉しそうに笑ってくれるのに。
黄瀬「ど、どうしたんスか?」
っちの顔をのぞき込むと、ハッと我に帰ったように俺の顔を見た。
黄瀬「?」
「いや....あの...」
黄瀬「もしかして具合悪いんスか?だったら早く帰った方が...」
「ち、違うの...えと、同じクラスの子に...」
黄瀬「子に?」
「告白されちゃって...」
え?っちに告白?
なんスかそれ。誰に言われたんスか!!
「あの、怒っ...た?」
....怒る?それとはなんか違う感情。
黄瀬「怒ってないっスよ?ただなんていうか...」
そう、怒ってはない...だけど