第4章 お前だけ*青峰*
どうやらこれは大輝に嫉妬させる作戦らしい。
私からは一切話さず、ただひたすら今吉さんといるという少々やりすぎな作戦。
こんなんでヤキモチを焼くのかな?大輝は
その翌日。
いつもは部活終わりに大輝に話しかけるが、今日は行かない。
作戦、作戦...。
若干良心が痛むがそこはスルー。
今吉「ちゃーん!帰るでー」
「あ、今行きます!」
私がバタバタと走っていると、大輝に声をかけられた。
青峰「おい、今日あいつと帰んのか?」
「そうだけど...なんで?」
青峰「なんでって...別になんもねーよ」
なんもねーよ、か。
ちょっと期待したのにな。
「お待たせしました」
今吉「あいつ、なんか言うてた?」
「いえ、なにも...」
今吉「まだまだやなぁ」
そう言う今吉さんはどこか楽しそうで、私は苦笑いを浮かべた。