第25章 私だって*黄瀬*(カノンさんリク)
そんなある日。
私は一人で用事を済ませ、ぶらぶらと辺りの店を見て回っていた。
すると、少しレトロな雰囲気の小物店が目に入り気になって入ってみた。
その中には、可愛い小物がたくさんあって、私の目を一番引きつけたのは、小さな地球儀だった。
そういえば....
―回想―
「涼太」
黄瀬「ん?なんすか?」
「なんで地球って丸いのに、水は下に落ちていかないの?」(真顔)
黄瀬「...へ?」
「だって地球のほとんどが水でしょ?なのになんでこぼれないの?」
黄瀬「...あほだ。あほがいるっす。俺よりあほっスこの子wwwwww」
―終了―
ってな会話を付き合いはじめて間もない時にした。
「...ふっ(笑)」
思い出し笑いがこぼれる。
あれは確かにアホっ子発言だった。でも一回は思うでしょ?
なんて微笑ましい気持ちに浸っていると、誰かが肩を触る感覚がした。
「ん?」
不快に思いながら振り向くと、3人の綺麗めなお姉さんが。
「すいません、邪魔でしたか?」
女「...大丈夫よ。それに関しては」
「それ?」
女「ちょっと、外に出ましょうか」
怒ってるのなには間違いない。
彼女たちを取り巻く雰囲気がそう語っていたし...。
外に出るやいなや、いきなり罵倒された。
女「あんた、黄瀬くんと付き合ってるのよね?」
「...はぁ」
女「大したことないじゃない。自分のこと可愛いとか思ってんの?」
女「あんた程度の子ならたくさんいるしね、私達がびびって手を出されないとか思ったわけ?」
「そんなことは...」
ない、とも言えない。
雑誌に載ったとき、あまり攻撃されなくてどこか安心したのは確かだし。
女「そうよねぇ、あんたたちがいつからの付き合いかは知らないけど、私達の方がずっと黄瀬くん好きなんだからね」
女「いつか別れさせてやるわ」
....今のは、聞き捨てなりませんな...。
「さっきから聞いていれば好き勝手言ってくれますね...」