第26章 知らない君 宮侑
宮侑
「ここ、だからもういいよ」
そう言われると首が痛くなるほど高いタワーマンション
侑「へー、けったいな部屋やなー。」
「一人暮らし心配した親が用意したの。」
侑「へー、優しい親御さんやな」
「まぁ、」
侑「あ!ほなまた明日なー」
そう言って自分の部屋に帰る
着いて見てみると首が痛くなるほどの高さもないごく普通のセキュリティの着いたマンション
ロビーも…あんな豪華やない。
侑「…なんか、虚しいで」
そう思いながら風呂入って寝た
次の日大学に行けばさんがおるのに気づく
侑「おはよーさん」
「おはよ。」
声かけたのに驚いたのか一瞬目見開いとった
侑「何読んどん?…げっ、漢字ばっかやなー」
挿絵も何も無いただの分厚い小説。
ポターよりあるんとちゃう?この本
「おもしろいよ」
俺の顔見て話さず本見ながらって…まぁ、なんか、ええわ。
教室に着くなり昨日の女らが俺んとこに来る
女「侑くんっ!おはよぉ!昨日はごめんね?さんもー」
なんて言いながら軽々しく触りよる
「別に…大丈夫です」
侑「…」
別にって感じしとらんやんけ。
大丈夫なんかいな。ほんま、心配やわー……俺北さんに似てきてへん?
あれからもさんに目線が行く
絡まれてへんかな?とか
お昼一人で食べとるんちゃうか?とか
なんか話題ないんか?とか
とになくなんで俺がこんなふうに思っとるんやろ。
侑『なあ、これどう思う??』
治『いや、それ普通に惚れとるやろ。』
埒が明かない思て治に電話してみたんやけど、
惚れとる…ホレトル?
侑『いやいや、ないない、俺の好みとぜんっぜんちゃうもん…言うたら地味な方やし、ボッキュボンやないし…な?』
治『そんなん俺かてあいつが好みやった訳ちゃうよ、俺大人しめでボッキュボンやなくてよかったし、』
まぁ、確かに治の嫁はあれやの。
大人しいっていうよりうるさい…にぎやかやし。
ボッキュボン…やな。
侑『そんなもんかいな?…って!まだ好きな訳ちゃうからな!』
治『おーおー、言っとけ言っとけ、どうせお前…まぁええわ、頑張ってなー』
そう言うと切られた電話。
侑「好き…ねぇ」