第24章 消えないで 荼毘
家に帰るのが嫌だった。
母は外で男を作って帰ってこない。
父は母に捨てられたのがショックで酒に溺れ、手を上げるようになった。
私はただただ普通に、楽しく3人で暮らしたかっただけなのに。
学校にも行かなくなり家で過ごす毎日。
コンコンッ
「集金に来ましたー。」
コンコンッ
「居ないんですかー?」
コンコンッ…コンコンッ…ドォン!
ノックを辞めたと思ったら玄関が物凄い音を立てて壊れた。
黒髪のツンツン頭の…顔や腕には肌色ではない…なにかをくっ付けたような…見た目は怖かった
「あ、、、」
リビングで寝転ぶことしか出来ない私。
首輪を付けられ、その先には窓の冊子に繋がっていて鎖を取ることもできない。
見られた。
傷だらけの体。
根性焼きの跡。
コツコツと土足のまま入ってきたその人。
「お前の親父…どこにいる?」
「あ、、ぅあ、」
なにも口にしておらず水も飲ませて貰えなかったためか声が出ない。
それに気づいてか男の人は水を私に飲ませてくれた。
「んっ、んくっ、、ぷはっ、はぁ、はぁ」
「んで?親父は??」
「し、知らな…い。あ、あなたは誰??」
「んー、荼毘…とだけ、名乗っとく。俺はお前の親父に貸した金返してもらうため来たって訳」
そう言いながら部屋のものを探りだす
金目のものは無いか。
それが目的だったら無い。
母が出ていく時に母の持っていてブランド物は母が全て持って行ってしまったし、
父は昨日慌てた様子で自分の物や、私の私物を持って行ってしまった。
荼毘「おっ…」
そう声を出すその人はヒラヒラとなにやら紙を見つけたらしく私にみせてきた
『金はない、だからこの女を置いていく、好きに売ったりなんだりすればいい。』
あぁ、こんなにも愛されてないことあるんだな。
そう思った。
絶望…いや、なにもない。
絶望なんてとっくの昔にした。
荼毘「…って事だから。」
そう言うと鎖を燃やして私の首輪も千切る
「綺麗」
青い炎。
純粋に綺麗だと思った
荼毘「綺麗…ねぇ、」