第18章 彼シャツ 荼毘
荼毘
たまたま任務で遠出していた今日。
任務前にもあいつが目を覚まさないか見に行った。
特に変わった様子もなく寝ていた
荼毘「よう、ヒーロー…」
死柄木に言われた通り、徐々に連合の存在を、活動範囲を広げる作戦に出る。都心だけじゃなく、色んなところで目撃情報を出すらしい
ヒーローに顔を見せて連合の存在を植え付ける。
それが今回の任務。ま、必要に応じて暴れてもいいらしいが…
今回の任務場所で電柱にある写真を見つけた。
探し人
高校1年生
ショートヘア
〇〇高校の制服
探されてる…そうか。
あいつは探そうとしてくれる誰かがいるのか。
荼毘「……ねぇ。」
その任務が終わるとアジトに帰る。
の姿がそこにはあって、
「あ、おかえりなさい。」
普通にソファに座ってスマホをみている
荼毘「…起きたのか」
「はい、ついさっきですけど…」
荼毘「お前のポスターあったぞ…探してるらしい」
「…っ、そうですか。」
荼毘「嬉しくねぇのか。」
「これっぽっちも…」
荼毘「そうか…」
言葉ではそう言うこいつだが、泣きそうになっている。
人は失って初めてものの大切さやありがたみが分かるものだ。
娘を失って大切さを知ったのか?
娘を失って悲しさを知ったのか?
そんなの都合がいい話しすぎる。
ただ、こいつが家に帰れたとして誰かがこいつに愛注いでやれば…きっとこいつもまたヒーローに目覚めるだろう。
俺の場合は違う。
俺の場合は……
荼毘「…悪ぃな」
こいつの背後に立って気絶させる。
お前は光の当たる場所がお似合いだ