第14章 気分転換しましょう(跡部/不二)
滝に話題を振ったときには、既にスマホをスワイプしていた。
めいこ「さっすが滝様!」
向日「お前いい加減スマホ買えよなー?」
めいこ「あたしだって欲しいんですよー」
日吉「駄目ですよそんな最新で高価なものこの人に持たしちゃ」
めいこ「ホラー!皆だいたいこんな返答なんだもん」
日吉を指差しブーブーと講義する。
向日「あー、まぁそうか、一瞬でクラッシュしそうだもんな」
めいこ「しないっつの!」
鳳「確かに、よく物落としてるおっちょこちょいさんですもんねー」
めいこ「ノーフォロー!!」
向日と鳳がウンウンとうなずき合っている横で、めいこは勢いよくブタブタ麺をすすった。
跡部「コラ汁が飛ぶ」
めいこ「ハッ!フミマヘン!」
跡部「入れたまんましゃべんな」
跡部は注意しながらも、クツクツと笑っている。
その様子を隣で見ている樺地は、先程めいこに手当してもらった手を摩りながら、微笑んでいた。
滝「あー、映画館って駅前の近くにあるみたいだよ」
スマホを使って映画館を調べていた滝は、画面に表示した地図を皆に見せた。
向日「んじゃ、帰りがてら観れるな」
滝「映画のタイトルは?フェアリー?」
めいこ「ごちそーさまでした!ちょっとまってね!」
手を合わせた後、自分の荷物が入っているロッカーからガサゴソとチケットを取り出す。
白い封筒に入った半折チケットの片面を見た向日は、首をかしげる。
向日「ん?Fairy?...これFinalって書いてあっけど」
めいこ「え?」
広げてみるとメルヘンとは程遠いような、黒と紫、それに黄緑で描かれた禍々しいチケットだった。
めいこ「呪いの着信Final...」
「「ホラーじゃねーかよ!」」
すかさず向日と宍戸にツッコミを入れられる。
めいこ「え"ーーっ!」
日吉は目がキラッキラしだしている。
向日「お前英語読めねーのかよ」
めいこ「ちがっ!だって友達がフェアリーなんとかって言ったんだもん!」
向日「確認しろよなー?ま、それなら行ってやってもいいぜ」
めいこ「う、う、う、」
下を向いて、目が泳ぎ始めためいこをみた跡部は、後ろからガッチリと肩を掴んだ。