第14章 気分転換しましょう(跡部/不二)
跡部「あーん?」
めいこ「いただきまーす」
向日「おい和栗、俺にもちょっとくれよ」
向日はめいこの隣まで行くと、顔を前に付き出してきた。
めいこ「えっ?はぁ、いいですけど」
向日「よっしゃ」
そんなに量入ってないんだけどなぁと思いつつ、ニカッと笑う向日の口に、プラスチックフォークですくった少量の麺を持っていく。
けれどブタブタ麺の匂いにつられて起きた芥川に、横からバクっと食べられてしまった。
向日「あっ!」
めいこ「あ」
芥川「やっぱコレうまいよね〜」
ヘラっと笑った芥川は、のそのそと帰り支度をし始めた。
向日「てんめ!梅干しの刑だ!」
芥川「いてぇええ!」
すかさず向日からこめかみにグリグリと拳を入れられている彼を尻目に、丁寧にフォークで麺を巻き取って食べようとしている跡部をジィっと見つめる。
これだけでも絵になるイケメンって罪...。
跡部「熱っ」
めいこ「ぶはっ!猫舌...!」
跡部「フンッ、俺様は繊細な肌なんだよ」
赤くなった跡部は、少し口を尖らせた。
めいこ「フーッフーッ、はいどうぞ」
巻き取った麺に息を吹きかけると、跡部は恐る恐る口元にもっていって食べた。
跡部「ん...悪くねーな」
めいこ「ホント?!」
跡部「あぁ、学生や子供が手軽に食べられるようなシンプルな味つけと量だ。なるほどな、良く出来てるぜ」
めいこ「よかったー」
跡部「ま、和栗と食べるとこういうのも美味く感じるのかもしんねーな」
めいこ「え?」
あれ?呼び方戻ってる。なんでだ?
忍足「跡部さり気なく口説くなやー」
跡部「率直な感想を言ったまでだ」
跡部はまたクルクルと麺を巻いて食べている。
その様子を「この坊っちゃんはすすらんのやなー」と眺める忍足。
跡部「...やらねーぞ」
忍足「はいはい、どーぞ」
キッと睨みつけてきた跡部を軽くあしらう。
宍戸「けど行くって言ってもよ、最寄り映画館ってどこなんだ?」
めいこ「わかんない!」
宍戸「オイ」
スカッとした笑顔を向けると、宍戸は苦笑いを返した。
めいこ「オッケー滝様!最寄りのe...」
滝「はいはい、今調べてるよ」