第10章 フラグ回収フラグ折り(跡部/仁王/観月)
赤面どころか一瞬過ぎてイマイチ分かっていないめいこ。
間を置くと、まだ頭がグワングワン痛い事を思い出す。
跡部「フッ...何だそのヌケた顔は」
めいこ「え?だって...うん?」
跡部「わかってねーならもう1回してやろうか?」
めいこ「やややややなぜなぜなんで!」
スルリと肩に手が周り、先程のものが何か悟っためいこは思わず身構えた。
跡部「フッ...」
またキスされるのかと思いきや、今度は優しく頭に手を置かれた。
ずしーんと少しの重たさと、温かさがしみてくる。
めいこ「うー」
跡部「こうすると大人しいのな」
めいこ「うぅううう」
跡部「やれやれ、おまけに俺様に忠誠誓っといてさっそく何つけられてんだ」
先程、迷子札と称して首筋につけられた滝のキスマークを撫でられる。
めいこ「わやっ、ちょ!滝さんからの迷子札だもぉおん!」
慌てて跡部の胸元を押す。
跡部「迷子札ねぇ...」
めいこの首を撫でながら、じとっと見つめてくる。
しかし何を考えているかサッパリ分からない。
こぇええよぉおおお!
めいこ「わー!忠誠誓ってます心配かけて迷惑かけまくってごめんなさい怒らないでぇえええ!」
手を顔の前でクロスして、防御体制に入るめいこ。
っていうかそういえば忠誠って何?!
やっぱあれか?!
犬の忠誠心的なそういう?!
跡部「別に怒っちゃいねーよ」
めいこ「うえっ?!」
跡部はゆっくり立ち上がると、ロッカーからおでこに貼る冷たい湿布、ヒエヒエピタを出してきた。
跡部「薬がきいてきたか?いつもの調子に戻ったな」
めいこ「あ、そういえば頭あんま痛くないや、すごー」
跡部「食えねぇやつではあるが、仁王に感謝しねぇとな」
めいこ「そうですねぇ...」
立ったまま湿布裏のビニールを剥がすと、腰をかがめてめいこのおでこに貼ってくれた。
めいこ「つめたー」
跡部「コレ貼ると眉毛も完全に隠れるんだな、ククッ、お前用にキッズサイズも買っておくか」
めいこ「別に大人用でいいですぅうう」
むくれためいこに笑いつつ、跡部はドアの前まで歩いてからこちらに顔を向けた。
跡部「ここでしばらく横になってろ」