第10章 フラグ回収フラグ折り(跡部/仁王/観月)
仁王「さっき身体が熱く感じたからの、試合の合間に薬取ってきたんじゃ」
めいこ「あ、ありがとうございます」
目印?
さっき熱く感じた?
どういうことだ...いや、ここで焦っちゃかえって相手の思う壺だ。
跡部「...わざわざ悪いな仁王」
めいこは跡部に肩を支えられながら立ち上がると、仁王に右手をグイッと引っ張られた。
仁王「まぁ待ちんしゃい」
めいこ「うおっ!」
仁王「めいこ、あーん」
突然何か口に押し込まれそうになり、慌てて口を閉じる。
めいこ「むっ?!」
跡部「おい」
仁王「なに、うまいもんじゃ」
そう言われて素直に口をあけるめいこ。
跡部「おい!」
パリポリポリ...
仁王「どうじゃ?」
めいこ「うまーい」
仁王「塩飴タブレットぜよ。熱中症対策にいつも持っとるんじゃ」
めいこ「うまーい」
跡部「お前...食べ物で釣られてんじゃねーよ」
めいこ「釣られてないしーうまーい」
仁王「ククッ、おまえさん予想以上に素直でかわええの」
跡部「なっ!」
めいこ「素直ですかー?わーいやったーほめらりたー」
やはりコイツの返しがいつもより弱いじゃねーの!
仁王「それに馬というよりは、犬みたいじゃな」
めいこ「えー?ぶちょーと同じようなこと言われたー」
仁王「ほー?」
跡部「......」
バチバチ
めいこは左右の顔を見比べる。
なんか、緊迫感が?
あーあたまいたー
仁王「部長さんは忙しいじゃろ、どれ、代わりに俺が送ろうかの」
跡部「それにはおよばねぇよ」
めいこが中腰で頭を抑えていると、突然足がフワッと宙に浮き、視界がグルッと上に向いた。
めいこ「あえ?」
ぶちょーの顎が見える...こ、これはお姫様抱っこ
めいこ「おおおろしてくださ」
跡部「コイツはうちのマネージャーだ、コッチで何とかする」
無視かよー
仁王「....ピヨッ」
めいこ「ピヨッ?」
バチバチバチ
仁王の表情はさして変わらないが、何故か2人の間には火花が見えたのだった。
え、なに、この人達仲悪いの?
仁王「そうか、それは残念じゃー」
仁王はめいこの頭を優しく撫でた。
本人はキョトンとしている。