第10章 フラグ回収フラグ折り(跡部/仁王/観月)
跡部「あぁ、顔洗ってお前を送ったらすぐ戻る」
めいこ「もー、更衣室くらい1人で行けます。さっきだって...」
振り返って来た道を指差すと、フラッとよろめいてしまった。
すかさず跡部が左肩を抱いて支える。
跡部「ほら行けねーだろ、こんなんで」
めいこ「いけるっ...ってばぁ」
あれ、なんか視界がグラグラしてる。
跡部「体温が高い、軽い熱中症だろ」
左肩を支えながら、跡部はそのまま更衣室に歩みを進めた。
めいこ「ちゃんとのみもののんでたもーん」
跡部「見事に吹き出してたじゃねーか」
めいこ「みたのー?」
跡部「あんだけデカい声を上げればな」
めいこ「やだぁーもー」
跡部「....」
いつもの和栗より言葉に力がなくなってきてるじゃねーの。
なんだ、それともコイツの素はコッチだってのか?
めいこが下を向くと、先程洗った髪が、ハラリと鼻をかすめた。
めいこ「はぁっっ!っくしょいー!」
ズキーンッ!!
めいこ「いったぁああああ!」
豪華にくしゃみをした後、めいこは頭を抱えてとうとうしゃがみ込んでしまった。
跡部「おいおい、ホントに大丈夫かよ」
慌てて横にしゃがんで支えると、手首には見覚えの無い青いブレスレットが付いていた。
跡部「おい...」
仁王「おー、おったおった、馬のおまはん」
跡部「あぁ?」
眉間にシワを寄せて振り返ると、右横から仁王が歩いてきた。
めいこ「え?」
仁王「目印やって正解じゃ、まさか氷帝の生徒とはのぉー」
めいこ「え?」
跡部などおかまいなしに、めいこの横にゆっくりとしゃがんだ。
まさかこの蚊除けブレスレットって、お面とってもあたしって分かるようにくれたの?!そっかー。
ってなんで?!
跡部「お前、立海の仁王とかいったよな」
仁王「さすがはキング様、よう知っとるのぉ」
跡部「コイツに...めいこに何の用だ」
めいこ「はっ?!」
仁王「.....。めいこ、これ飲んどきんしゃい」
めいこ「は?!?!」
仁王は緑色の小さな箱を差し出してきた。
仁王「液体カプセルの頭痛薬じゃ。直ぐ効く」
めいこ「え?何で...??」