第10章 フラグ回収フラグ折り(跡部/仁王/観月)
滝「何?炭酸振ったの?それともこの暑さで膨張した?」
めいこ「うー、ごめんさい」
滝「ごめんさいて...やれやれ、頭も服もベタベタだね。カメラは大丈夫だった?」
めいこ「あっ!」
肩から斜めがけに下げていたカメラを見ると、幸いどこも濡れていないようだ。
めいこ「よかったー、無事だー」
滝「よかったね、顔洗って着替えてくれば?」
めいこ「えええー!でも日吉君の試合みたいです!」
滝「いいけど...でも蟻とか来るよ」
めいこ「それはヤダ!急いでいってきます!あ、カメラ預かっといていただけますか?!」
滝「うん、気をつけてね」
めいこは新しいタオルだけ持つと、ダッシュで水道水のところへ行った。
蛇口上のスペースにタオルを置き、あのお面の下で汗だくだった頭も軽く顔と一緒に流した。
目を瞑ったまま手探りでタオルを探すが、なかなか掴めない。
めいこ「ん?あれっ?」
何度か手を左右に動かして探っていると、フワリとタオルが頭にかかった。
めいこ「んっ?」
前が見えないまま、温かい大きな誰かの手に、頭をワシャワシャと少し乱暴に拭かれた。
でもどこか優しい。
何だか前にもあった安心する手、誰だっけ、気持ちがいい。
めいこはそのまま目をつぶり、少しウットリしながらされるがままになっていた。
「そんな可愛い顔すんじゃねーよ、キスしたくなるだろ」
めいこ「ホヘッ?!」
今なんつったの?!聞き間違い?!
ビックリして目を開けると、穏やかな顔をした跡部が目の前にいた。
めいこ「ぶっちょ?!」
タオルから手を離すと、そのまま横の蛇口でめいこと同じように頭から流して豪快に洗っていた。
蛇口の水を止めると、前髪を後ろにかき上げながら身体を起こした。
跡部「フーッ、確かにこれは気持ちがいいぜ」
そう笑った跡部は、滴った水が太陽の光で反射して、キラキラとしていた。
あーっ!カメラ持ってくれば良かったーっ!
それからめいこの頭にかかったタオルの端で、顔と頭を大雑把に拭いた。
というか...あれ?なんか、そこはかとなく頭がクラクラして痛いような?
めいこ「お、お疲れ様です」
跡部「あぁ」
めいこ「あの...」