第9章 【番外】この跡部は肉食(跡部)
友人の変な例文で漢字を覚えていると、廊下からキャアキャアと声がした。
何気なくそちらを見ると、移動教室なのか跡部が教科書を持ちながら歩いている。
ゆゆか「お、噂をすればじゃん」
めいこ「う"」
思わず顔をそらす。
ゆゆか「あーとーべーぶーちょー!」
めいこ「ちょちょちょちょ!」
笑顔で手を振る友人を慌てて引っ張って止める。
跡部はコチラに気がつくと、ツカツカと教室に入ってきた。
またキャアキャアと悲鳴が上がる。
跡部「和栗」
めいこ「うえ!?」
跡部「ルーズリーフ1枚持ってないか。さっき丁度切れたんだ」
めいこ「あ、えっとちょっと待ってください」
ワタワタと机から探して差し出した。
めいこ「はい」
跡部「ありがとよ、今度返す」
めいこ「いえ、別に...」
実は話す口実をつくっただけだったが、めいこは知らない。
跡部「なんだ、次は漢字テストか?」
ゆゆか「そうなんですよー、でもコイツ忘れてて」
めいこ「うぅ」
跡部「俺様の苗字はくれぐれも間違えんなよ。出来なければペナルティだ」
めいこ「えーっ!」
ゆゆか「よし!間違えとけ!」
めいこ「ちょっと!言ってることさっきと逆なんですけど?!」
漢字テストはというと、友人の変な例文と極度の緊張感のおかげで、ほぼ満点を取ったのでした。
でもペナルティって何だったんだろう?
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