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【テニプリ】まずは友達から

第34章 宿題もおやつに入りますか?


めいこ「ゲッ!ぶちょっ!!」

木手「は?」

相変わらずよく通る声だこと。

ズカズカとこちらに向かって歩く跡部は、隣の木手に何か言いたげである。

そりゃそう。
元来た道戻れば会うのは、そりゃそう。

今の私は、
⚫︎勝手に先行った
⚫︎携帯無くした
⚫︎知らん男の人といる
 →浮気と思われてもやむなし
⚫︎破滅へのロンドを何かで打ちかねない跡部降臨
⚫︎瞬発的に丸く収まるトークを出せない
という状況。

よって・・・・・

めいこ「アディオス!」


跡部の顔を見るなり、踵を返して走り出した。
木手の腕を掴んで。

木手「なんなんですか?!」

状況が全く掴めない木手は、半ば引きずられるように走った。

めいこ「いやなんか!条件反射?!」

木手「よく分かりませんが部長に追われてるんですか?!」

めいこ「まぁ、そんなとこ!」

木手「なら…」

今度は木手がグイッとめいこの手を引き、水槽横の薄暗い小さな階段を駆け降りた。

木手「ここでまきましょう。ちょっと失礼」

踊り場でめいこを隠すように、木手が前から覆い被さる。

めいこ「うぇっ?!」

めいこの口に人差し指を当て、耳元でささやく。

木手「シッ、このまま我慢ですよ」

めいこ「んっ?」

木手「これなら、あなたのことは見えないでしょうし、他のカップルに見えるかと」

めいこ「〜〜っ!なるほど」

だけど耳元でしゃべんないで〜!

とテンぱるめいこと同様、木手も心臓が早かった。
ちょっと顔を傾ければ、本当にキスできそうなほどに近い。
妹以外の女子とこんなに密着したことなど無い。
まして、テニスに明け暮れていた自分には。

跡部「なるほどじゃねーだろ」

木手の肩越しに、逆光に光る跡部が立っていた。

めいこ「うわーっ!!」

木手「おや、残念、巻けませんでしたか」

跡部「当たり前だ。何度逃げたこいつ捕まえたと思ってる」

そう言いながら、木手とめいこをぐいっと離した。

本当にやばそうな奴なら技でもかけたところだが、
お互い、相手は自分とさほど変わらないように見えた。

跡部「うちのマネージャーが迷惑かけたみたいで、すまなかったな」

木手「いえ、お互い探し物がありましてね。
   しかし・・・」
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