第6章 振り回される(日吉/跡部)
めいこ「あれ?!滝先輩おはようございます??」
滝「あぁ、俺は皆に野次飛ばしに来ただけだから、気にしなくていいよ」
めいこ「そんなことニコニコされながら言われましても...」
忍足「しかし、お嬢ちゃんそれはだいぶえらいステップ飛ばしたなぁ」
めいこ「なんのステップ?...ねぇ芥川先輩何のステップ?!」
横にいる芥川の肩口を引っ張る。
芥川「ほっぷー、すてっぷー、じゃんぷぅー」
ゆっくり大股のスキップをしたかと思うと、ベンチにダイブしてそのままグオォオオと寝た。
めいこ「ちょっとー!現場に居た人のフォローはー?!」
日吉は大きなため息をつく。
日吉「向日先輩、また変な勘違いはやめてください。あと忍足先輩、悪ノリしても多分コイツ分かってません」
忍足「そんな気はしたわ」
めいこ「え、まって、馬鹿にされてる?!」
忍足「純粋なあほの子もかわええんやで」
めいこ「嬉しくないやで!」
挨拶を済ませた跡部が控室前まで戻ってくると、外からでも聞こえるくらい部員達の声がもれていた。
跡部「ったくあいつらは...」
ドアノブに手をかけたが、
「和栗ってさー、結局誰が好きなわけ?」
という向日の質問に思わずピタッと動きが止まる。
跡部「.....」
跡部ハ 入ル タイミング ヲ 無クシタ!
めいこ「へっ?!いやそんなイキナリ言われましても!」
向日の直球な質問に、控え室にいる全員が一瞬固まった。
鳳「...そっそうですよ!イキナリそんな質問されたら困りますよ向日さん!」
向日「だってよぉ、気になんじゃん」
忍足「はん、それはなぁ、ぜひ聞きたいわー」
といって腕を組みながら顔を覗き込んでくる忍足。
めいこ「ぎゃー!ぎゃー!やめてあたし顔に直ぐ出ちゃうからぁああ!」
慌てて顔を手で隠しながら後退る。
跡部も少し気になったが、コソコソするのは柄じゃない。
めいこもテンパりだしたので、ノブにかけたままだった手を動かしてドアを開ける。
跡部「オラお前ら、くだらねー話ししてねーでチャッチャと支度しろ」
めいこ「わっ!ぶちょ!」
忍足「くだらんくはないやろー、重要やで」