第6章 振り回される(日吉/跡部)
3人で女性用トイレを覗くと、鏡にはベットリと手垢がつき、白く反射しているだけであった。
めいこ「...はれっ?」
日吉「チッ、幽霊じゃなかったか」
跡部「クッ、ハハハハハハ!こりゃいい!」
めいこ「うわーん!日吉君があんなの読ませるからだよぉおお!」
恥ずかしさのあまり、日吉の腕を軽くペシペシと叩いた。
日吉「オイ、試合に響いたらどうする」
めいこ「そんな強く叩いてないもん!」
日吉「あ、お前の肩に白い手が...」
めいこ「ギャワーッ!」
跡部「俺様の手だろうが!」
後ろに飛び退いためいこに、跡部が言い返す。
日吉「ハハハハハハハ!」
日吉ハ イキイキ シテイル!
跡部「ったく、あんま心配かけんな」
めいこ「う」
跡部はめいこの顔を覗き込みながら頭をワシャワシャっと撫でると、レジにいる店員に何やら話して出ていった。
きっとトイレの鏡掃除をお願いしたのだろう。
続いて日吉達も店を出て、また試合会場に向かって歩き出した。
めいこ「あの、お詫びに、さっき買ったブタブタ麺差し上げますから、許してたも」
日吉「...たも?」
といっても、元々あげる予定であったものだけど。
跡部「ん?この前話していたやつか?」
めいこ「あい」
ガサガサと袋を漁って、今度は日吉に渡す。
めいこ「はい、醤油煎餅。お煎餅好きってどっかで聞いたことあったから」
日吉「ありがとよ。確かに俺は煎餅が好きだが、1番好きなのは濡れ煎餅だ」
めいこ「えっ!そうなの?!すまん、じゃあそれ濡らして食べて!」
日吉「それはただの濡れた煎餅だろ」
めいこ「ほぉ!そうか!」
日吉「和栗...」
めいこ「やめてー!眼力で射殺さないでー!」
跡部「おい日吉、あんまいじめんな」
日吉「....」
めいこ「ぶちょー...!」
めいこは手のひらを顔の前で組み、感激!というポーズをした。
跡部「いじめていいのは俺様だけなんだよ」
めいこ「ぶっちょおおおお!」
日吉「いいですよ、その内下剋上しますから」
めいこ「何その下剋上いらない!」