第4章 明日に備える(跡部/宍戸)
眉間にシワを寄せた跡部から、軽いデコピンを食らった。
跡部「なーに口説かれてんだよ」
めいこ「なっ!褒めてもらっただけですー!」
跡部「似たようなもんだろ」
めいこ「イーだ!」
ジムの中へ入ると会議室のようなところに通され、明日の集合時間と場所、持ち物などの最終チェックを行った。
ついでに連絡用のメールアドレスも交換した。
跡部「ざっとこんなもんだろ。何か質問はあるか」
書類を揃えながら言う。
めいこ「うーん、大丈夫です」
跡部「よし」
めいこ「あ、1つあった。ぶちょーは明日何で来るんですか?」
跡部「なこと聞いてどーする。当然車だ」
めいこ「ですよねー」
跡部「あと、さっき買ったやつで明日使うものはあるか?代わりに会場へ持って行ってやるが」
めいこ「ありがとうございます、でも自分で持ってきます。そんなに量無いですし」
跡部「そうか」
めいこ「じゃあ、あたしはそろそろ帰りますね」
跡部「待て、送っていく」
めいこ「え"っ」
跡部「あ〜ん?何だその声は。今日は電車だ」
めいこ「あ、そうなんですか」
跡部「あの車は馴染めないようだったからな」
めいこ「そりゃそーですよ!でも明日大事な試合ですよね?」
跡部「フッ愚問だな」
めいこ「傷付く!」
跡部「送ったところで俺様の明日に響くとでも?」
めいこ「はいそうですね、いらん心配でしたね」
跡部「ま、嫌なら話は別だがな」
めいこ「いえ、や、やじゃないですけども」
跡部「なら決まりだ。1階のカフェで待ってろ」
めいこ「は、はい」
跡部とめいこは会議室を後にした。
めいこは窓際のカウンター席に座り、紅茶を飲みながら待つ。
もう直ぐ夕暮れだ。
なんだかこれじゃあ、彼氏を待つ彼女みたい。
ややぶちょーとなんてあり得るわけ無いですね!
変な妄想をしそうになったので、頭をブンブンと降って打ち消す。
跡部「待たせたな」
めいこ「うっわ!」
跡部は隣の椅子に軽く腰掛けた。
跡部「何ださっきの動きは。相変わらず変な奴だな」
めいこ「ガーン!」