第4章 明日に備える(跡部/宍戸)
宍戸はビクッとしたかと思うと、そのまましゃがんでしまった。
めいこ「えっ!?なになに?!」
宍戸「俺には...刺激がTUYOSUGI☆だぜ...」
めいこ「今度はししろ先輩が『考える人』のポーズみたいになってる!ししろせんぱーい!」
跡部「決まりだな。ソレ持って会計に来い」
めいこ「いや、あの、だから買わな...」
跡部「来.い.よ」
めいこ「イエッサー」
思わず敬礼しためいこであった。
めいこ「じゃあ、あたしのだけ会計別にしましょう」
跡部「いや、それは俺様が個人的に買うが、後は部費から出る」
めいこ「そうなの?」
会計に行くと、跡部がスッと慣れた手付きでカードを出した。
めいこ「ぶらっくかーど....」
宍戸「な、すげぇよな」
めいこ「初めて見た」
宍戸「俺も跡部のしか見たことねーよ」
めいこ「てか中学生がブラックカードって...」
跡部「大は小を兼ねるだろ、大いに越した事は無い」
めいこ「そうかもですけど、ですけどー!?」
会計が終わり、宍戸とそれぞれ荷物を分ける。
跡部「俺様が持ってやる」
めいこ「え?あ、ありがとうございます恐縮です」
跡部は先にジムに向かって歩き出した。
宍戸「じゃ、俺はそろそろ帰るぜ」
めいこ「えーっ!残念」
宍戸「明日も早ぇしな。楽しかったぜ、じゃーまたな」
めいこ「はーい、あたしも楽しかったでーす!色々ありがとうございましたー!」
手を振ってお互いそれぞれに歩き出そうとしたが、「あ」と言って宍戸が立ち止まった。
めいこ「何ですか?忘れ物?」
宍戸「その、よ..あー...」
うつむき加減で首の後ろをかいている。
宍戸「その格好もいいけどよ、さっきのも...似合ってたぜ」
めいこ「そ、そうですか?あたしにはちょっとハードルが高いような...」
宍戸「俺は好きだぜ」
めいこ「へっ?!」
宍戸「じゃーな!」
そう言って走り去った宍戸を、呆然と見送った。
不意打ちを食らわされたような気分で、褒められ慣れてないめいこは少し顔が赤くなった。
跡部「コラッ」
【ビシッ】
めいこ「いった!」